B役に立つ?

ここでは、役に立つか、と同時に、問題点もみていく。


Aの結論で、様々な脳障害と犯罪との結びつきが研究されてきたが、
脳障害と犯罪が本当に相関関係にあるのか、は十分に解明されていないと、ある。

そんな犯罪学と脳の関係の研究は、果たして何の役に立つのだろうか・・・?



ここで最初に戻るが そもそも、犯罪学は「人はなぜ犯罪を犯すのか。」を研究する学問である。

他の科学の考えを使いながら、追究してきた。

そして犯罪原因の解明に貢献してきた。


★しかし、1970年代には混迷を迎えている。

社会がラベルを貼るから犯罪になる、と考えられ、犯罪者のレッテルを張る側である刑事司法機関、
とくに犯罪学の研究を問題にしていこう、という考えが生まれたのだ。

また、同時に、人権侵害などへの侵害の懸念が深まり、遺伝子の分野などは低迷期(混迷期)を迎えた。


★1980年代、再び活性化してきた。

それは新しい視点のアプローチが出てきたからだ。

つまりは、脳、などの犯罪生物学の分野だ。

そして、どの分野が正しいか、有力か、ではなく様々な分野からのアプローチが 求められるようになったことだ。


求められる、ということは何かの役に立たなければならない。

そして最初の疑問に戻る。

そこで、犯罪学が刑事学の一部であることに注目してみたい。

刑事学は、犯罪の原因を探求し、犯罪対策を提示する学問である。

ということは、犯罪対策を講じなければならない。


★犯罪対策を講じるには大きく分けて2つの方法がある。

犯罪の予防か、再犯の防止か、である。


過去に起こった犯罪を分析し、研究することは 分類、統計的に研究することで、これからの犯罪への予防に役に立つ、といえるだろう。


しかし、それは過去の犯罪の分析であり、新しい犯罪(サイバー犯罪など)に対応していくには 難しい。

だから、他分野からのアプローチが必要になってくる。


犯罪学は、他分野からのアプローチによって、より一層発達していきうる。


また現在に犯罪を問題意識もってこそ、の分野である。

しかし、脳からのアプローチは、予防だけに役に立つのではない、と私は考えている。





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